医療法通知

 いわゆる「出資額限度法人」について【改正文】最終改正:医政発0330第26号 平成24年3月30日

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いわゆる「出資額限度法人」について【改正文】最終改正:医政発0330第26号 平成24年3月30日

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【改正文】
医政発第0813001号 平成16年8月13日 最終改正 医政発0330第26号 平成24年3月30日
各 都道府県知事 殿 厚生労働省医政局長

いわゆる「出資額限度法人」について

 高齢化、医療技術の進歩、国民の意識の変化や規制改革の観点を含めた各方面からの指摘など医療をめぐる現状を踏まえながら、これからの医業経営の在り方について検討するため、平成13年10月に「これからの医業経営の在り方に関する検討会」が設置され、平成15年3月に最終報告書がとりまとめられたところである。この最終報告書においては、医療法人の非営利性・公益性の徹底による国民の信頼の確保、変革期における医療の担い手としての活力の増進を2つの柱とし、医療法人を中心とする医業経営改革の具体的方向が示されたところである。
 この最終報告書で示された医業経営改革の具体的方向においては、将来の医療法人のあるべき姿である持分がなく公益性の高い特定医療法人又は特別医療法人への円滑な移行を促進するための一つの方策として、「出資額限度法人」の検討の必要性が指摘されたところである。
 以上を踏まえ、社団医療法人における非営利性の確保等に資する観点から、「医業経営の非営利性等に関する検討会」を平成15年10月に設置し、「出資額限度法人」の普及・定着に向けた対処方策等について検討し、平成16年6月22日にその報告がとりまとめられたところである(別添1)。
 ついては、今般、同検討会の報告を踏まえ、医療法人制度の運用に当たっての「出資額限度法人」の趣旨、考え方、内容と移行に当たっての留意点や円滑に進めるための方策等を下記のとおり整理したので、各都道府県におかれては、こうした趣旨を御理解の上、御了知いただくとともに、その運用に遺憾なきを期されたい。
 なお、下記第6にある持分の定めのある医療法人が「出資額限度法人」に移行した場合等の課税関係については、国税庁と協議済みであることを申し添える。

第1 医療法人制度における「出資額限度法人」の位置づけ等

 医療法(昭和23年法律第205号)第6章に定める医療法人制度は、私人による病院経営の経済的困難を、医療事業の経営主体に対し、法人格取得の途を拓き、資金集積の方途を容易に講ぜしめること等により、緩和せんとするもの(昭和25年8月2日厚生省発医第98号厚生事務次官通知 記 第一の1参照)とされていること。
 「出資額限度法人」の位置づけは、医療法人制度の運用の実態として、医療法人の太宗を持分の定めのある医療法人が占めている現状に照らし、出資者にとっての投下資本の回収を最低限確保しつつ、医療法人の非営利性を徹底するとともに、社員の退社時等に払い戻される額の上限をあらかじめ明らかにすることにより、医療法人の安定的運営に寄与し、もって医療の永続性・継続性の確保に資するものであること。

第2 「出資額限度法人」の定義

 本通知において「出資額限度法人」とは、出資持分の定めのある社団医療法人であって、その定款において、社員の退社時における出資持分払戻請求権や解散時における残余財産分配請求権の法人の財産に及ぶ範囲について、払込出資額を限度とすることを明らかにするものをいうこと。

第3 「出資額限度法人」の内容

① 出資額
金銭出資、現物出資のいずれであっても、社員(出資者)が出資した時点の価額(出資申込書記載の額の等価)を基準とすること。
 なお、医療法人の設立後、追加して出資があった場合についても同様とし、出資時点の差異による調整は行わないこととして差し支えないこと。

② 法人財産のうち出資持分の返還請求権の及ぶ範囲
脱退時及び解散時における出資持分を有する者への返還額は、出資持分を有する者それぞれにつき、その出資した額を超えるものではないこととすること。
 したがって、物価下落により法人の資産価額が出資申込書記載の額の合計額より減少している場合等においては、医療の永続性・継続性の確保を図るという観点から、出資時の価額を上限として、現存する法人の資産から出資割合に応じて出資持分を有する者に返還することも含まれるものであり、結果として、返還額が出資時の価額を下回ることも生じ得るものであること。

第4 「出資額限度法人」への移行に当たっての留意点等

① 社団医療法人で出資持分の定めのあるものは、定款を変更して「出資額限度法人」に移行できること。また、「出資額限度法人」は、定款を変更して、社団医療法人で出資持分の定めのないものに移行できること。

② 社団医療法人で出資持分の定めのないものは、医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第30条の39に照らし、「出資額限度法人」に移行できないこと。一方で、「出資額限度法人」が社団医療法人で出資持分の定めのあるもの(脱退及び解散時の出資持分の払戻請求権が及ぶ範囲に制限を設けないもの、あるいは従前よりその及ぶ範囲が拡大するものをいう。)へ移行(後戻り)することは、これを直接禁止した医療法その他関係法令上の規定は存在しないものの、社会医療法人又は特定医療法人をはじめとする持分の定めのない法人への移行という非営利性の確保のために期待される方向に照らし、適当でないこと。

第5 「出資額限度法人」への円滑な移行を促進する方策等

① 「出資額限度法人」のモデル定款
「出資額限度法人」の普及・定着に向けて、医療法人の新規設立認可、既に設立されている医療法人の定款変更認可に係る関係事務が円滑に行われるよう別添2のとおり、出資額限度法人のモデル定款を策定したので、周知・活用を図られたいこと。
 なお、今回の改正に係る規定に限らず、モデル定款はあくまでモデルを示したものであり、医療法人の定款は基本的には医療法人内部で所定の手続きに従い、制定、改廃するものであることから、医療法人の監督における定款の認可に当たりモデル定款から一切の逸脱を認めないといった硬直的な運用は、これを設けた本来の趣旨に照らし適当でないことを申し添える。

② 社団の医療法人の定款例の一部改正
脱退時や解散時に出資額に応じて法人の財産を返還することは、医療法第4章及び同関係法令に基づく医療法人制度より要請されているものではなく、任意であることを明らかにする観点から、社団の医療法人の定款例(昭和61年健政発第410号厚生省健康政策局長通知別添4)の一部を改正し、別添3のとおりとすること。

第6 持分の定めのある医療法人が出資額限度法人に移行した場合等の課税関係

 出資額限度法人に係る課税関係については別添4のとおりであること。
 なお、ここに示されたものは、現行の税制関係法令の適用解釈上、変更後の定款の下で、社員の脱退等が生じた場合の他の出資者にみなし贈与の課税(相続税法(昭和25年法律第73号)第9条)が生じないために必要とされる条件等を示したものであること。したがって、課税実務以外の局面、例えば出資額限度法人となるための定款(変更)認可自体は、医療法第4章及び同関係法令に基づき行われるべきものであり、これら税制関係法令の適用解釈により影響を受けるものではないこと。

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