医療法通知

 臨床研究法の公布について

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臨床研究法の公布について

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医政発0414第22号 平成29年4月14日

各都道府県知事 保健所設置市長 特別区長殿 地方厚生(支)局長殿
厚生労働省医政局長(公印省略)

臨床研究法の公布について

 臨床研究については、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」(平成26年文部科学省・厚生労働省告示第3号)等に基づき、その適正な実施の確保を図ってきたところですが、平成25年以降、臨床研究に係る不適正事案が相次いで発覚したことを踏まえ、臨床研究の実施の手続や、臨床研究に関する資金等の提供に関する情報の公表の制度等を定める「臨床研究法案」が、昨年5月、 第190回国会に提出されました。

 本法案は本年4月7日に成立、本日公布されましたので通知します。また、本法の主な内容については下記のとおりですので、御了知の上、関係者への周知をお願いいたします。

 なお、本法は一部の規定を除き、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとされており、施行に必要な政省 令等については、今後制定し、別途お示しする予定です。

臨床研究法の公布について

1 総則

(1)目的
 臨床研究の実施の手続、認定臨床研究審査委員会による審査意見業務の適切な実施のための措置、臨床研究に関する資金等の提供に関する情報の公表の制度等を定めることにより、臨床研究の対象者をはじめとする国民の臨床研究に対する信頼の確保を図ることを通じてその実施を、もって保健衛生の向上に寄与することを目的とする。(第1条関係)

(2)定義

イ 「臨床研究」とは、医薬品等を人に対して用いることにより、当該医 薬品等の有効性又は安全性を明らかにする研究(当該研究のうち、当該 医薬品等の有効性又は安全性についての試験が、医薬品、医療機器等の 品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「医薬品医療機器等法」という。)第80条の2第2項に規定する治験に該当するものその他厚生労働省令で定めるものを除く。)をいう。(第2条第1項関係)

ロ 「特定臨床研究」とは、臨床研究のうち、次のいずれかに該当するものをいう。(第2条第2項関係)

(ⅰ) 医薬品等製造販売業者又はその特殊関係者(医薬品等製造販売業者と厚生労働省令で定める特殊の関係のある者をいう。以下同じ。) から研究資金等(臨床研究の実施のための資金(厚生労働省令で定める利益を含む。)をいう。以下同じ。)の提供を受けて実施する臨床研究(当該医薬品等製造販売業者が製造販売をし、又はしようとする医薬品等を用いるものに限る。)

(ⅱ) 未承認医薬品等(医薬品等であって、医薬品医療機器等法の製造販売の承認若しくは認証を受けていないもの又は届出が行われていないものをいう。)又は適応外医薬品等(医薬品等であって、医薬 品医療機器等法の製造販売の承認若しくは認証を受けているもの又 は届出が行われているもの(当該承認、認証又は届出に係る用法、用量、使用方法その他厚生労働省令で定める事項(以下「用法等」 という。)と異なる用法等で用いる場合に限る。)をいう。)を用いる 臨床研究((ⅰ)に該当するものを除く。)

ハ 「医薬品等」とは、次に掲げるものをいう。(第2条第3項関係)

(ⅰ) 医薬品医療機器等法第2条第1項に規定する医薬品(同条第14項に規定する体外診断用医薬品を除く。)

(ⅱ) 医薬品医療機器等法第2条第4項に規定する医療機器

(ⅲ) 医薬品医療機器等法第2条第9項に規定する再生医療等製品

ニ 「医薬品等製造販売業者」とは、医薬品等に係る医薬品医療機器等法の製造販売業の許可を受けている者をいう。(第2条第4項関係)

2 臨床研究の実施

(1) 厚生労働大臣は、厚生労働省令で、臨床研究の実施に関する基準(以下「臨床研究実施基準」という。)を定めなければならない。(第3条第1項関係)

(2) 臨床研究(特定臨床研究を除く。)を実施する者は、臨床研究実施基準に従ってこれを実施するよう努めなければならない。特定臨床研究を 実施する者は、臨床研究実施基準に従ってこれを実施しなければならない。(第4条関係)

(3) 特定臨床研究を実施する者は、特定臨床研究ごとに、特定臨床研究の実施に関する計画(以下「実施計画」という。)を作成し、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に提出しなければならない。(第5条第1項関係)

(4) 特定臨床研究を実施する者は、(3)により実施計画を提出する場合においては、厚生労働省令で定めるところにより、実施計画による特定 臨床研究の実施の適否及び実施に当たって留意すべき事項について、当該実施計画に記載されている認定臨床研究審査委員会(当該特定臨床研 究について審査意見業務を行う3の(1)の認定臨床研究審査委員会をいう。以下同じ。)の意見を聴かなければならない。(第5条第3項関係)

(5) (3)により実施計画を提出した者(以下「特定臨床研究実施者」 という。)は、当該実施計画の変更(厚生労働省令で定める軽微な変更を 除く。)をするときは、その変更後の実施計画を、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に提出しなければならない。(第6条第1項 関係)

(6) 特定臨床研究実施者は、(3)又は(5)により提出した実施計画に従って特定臨床研究を実施しなければならない。(第7条関係)

(7) 特定臨床研究実施者は、特定臨床研究を中止したときは、その中止の日から10日以内に、その旨を、当該特定臨床研究の実施計画に記載されている認定臨床研究審査委員会に通知するとともに、厚生労働大臣に届け出なければならない。(第8条関係)

(8) 特定臨床研究を実施する者は、当該特定臨床研究の対象者に対し、あらかじめ、当該特定臨床研究の目的及び内容並びにこれに用いる医薬品等の概要、当該医薬品等の製造販売をし、若しくはしようとする医薬品等製造販売業者又はその特殊関係者から研究資金等の提供を受けて実施する場合においては4の(1)の契約の内容その他厚生労働省令で定める事項について、厚生労働省令で定めるところにより説明を行い、その同意を得なければならない。ただし、疾病その他厚生労働省令で定める事由により特定臨床研究の対象者の同意を得ることが困難な場合であって、当該対象者の配偶者、親権を行う者その他厚生労働省令で定める者のうちいずれかの者に対し、説明を行い、その同意を得たとき、その他厚生労働省令で定めるときは、この限りでない。(第9条関係)

(9) 特定臨床研究を実施する者は、当該特定臨床研究の対象者の個人情報(個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日そ の他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。以下同じ。)の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の個人情報の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。(第10条関係)

(10) 特定臨床研究に従事する者又は特定臨床研究に従事する者であった者は、正当な理由がなく、特定臨床研究の実施に関して知り得た当該特定臨床研究の対象者の秘密を漏らしてはならない。(第11条関係)

(11) 特定臨床研究を実施する者は、当該特定臨床研究の対象者ごとに、医薬品等を用いた日時及び場所その他厚生労働省令で定める事項に関する記録を作成し、厚生労働省令で定めるところにより、これを保存しなければならない。(第12条関係)

(12) 特定臨床研究実施者による厚生労働大臣及び実施計画に記載されている認定臨床研究審査委員会に対する特定臨床研究の実施に起因するものと疑われる疾病等の発生に関する報告及び特定臨床研究の実施状況についての定期報告に関する規定を設ける。(第13条、第14条、第17条及び第18条関係)

(13) 厚生労働大臣は、毎年度、特定臨床研究実施者による厚生労働大臣に対する疾病等の発生に関する報告の状況について厚生科学審議会に報告し、必要があると認めるときは、その意見を聴いて、特定臨床研究の実施による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するために必要な措置をとらなければならない。その報告又は措置を行うに当たっては、情報の整理を行うとともに、必要があると認めるときは調査を行う。(第15条第1項及び第3項関係)

(14) 厚生労働大臣は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「機構」という。)に、(13)の情報の整理又は調査を行わせることができる。 機構はその情報の整理又は調査を行ったときは、遅滞なく、当該情報の整理又は調査の結果を厚生労働大臣に報告しなければならない。(第16条第1項、第5項及び第6項関係)

(15) 厚生労働大臣は、特定臨床研究の実施による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、特定臨床研究を実施する者に対し、当該特定臨床研究を停止することその他保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための応急の措置をとるべきことを命ずることができる。(第19条関係)

(16) 厚生労働大臣は、2又は2に基づく命令に違反していると認めるときは、特定臨床研究を実施する者に対し、当該特定臨床研究を臨床研究実施基準に適合させること、実施計画を変更することその他当該違反を是正するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。(第20条第1項関係)

(17) 厚生労働大臣は、特定臨床研究を実施する者が(16)の命令に従わないときは、当該特定臨床研究を実施する者に対し、期間を定めて特定臨床研究の全部又は一部の停止を命ずることができる。(第20条第2項関係)

(18) 臨床研究(特定臨床研究を除く。)を実施する者は、(3)に準じて その実施に関する計画を作成するほか、当該計画を作成し、又は変更する場合においては、認定臨床研究審査委員会の意見を聴くよう努めるとともに、(6)及び(8)から(11)までに準じて、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。(第21条関係)

(19) 2は、臨床研究のうち、医薬品等を用いることが再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号)第2条第1項に規定する再生医療等に該当する場合については、適用しない。(第22条関係)

3 認定臨床研究審査委員会

(1) 臨床研究に関する専門的な知識経験を有する者により構成される委員会であって、実施計画の審査等の審査意見業務を行うもの(以下「臨床研究審査委員会」という。)を設置する者(病院若しくは診療所の開設者又は医学医術に関する学術団体その他の厚生労働省令で定める団体に限る。)は、その設置する臨床研究審査委員会が審査意見業務を適切に実施するための要件に適合していることについて、厚生労働大臣の認定を受けなければならない。(第23条第1項関係)

(2) (1)の臨床研究審査委員会の認定、変更の認定及び認定の有効期間の更新、認定委員会設置者((1)の認定を受けた者をいう。以下同じ。) の欠格事由並びに認定臨床研究審査委員会((1)の認定を受けた臨床研 究審査委員会をいう。以下同じ。)の廃止に係る所要の手続等を設ける。 (第23条~第27条関係)

(3) 認定臨床研究審査委員会の委員若しくは審査意見業務に従事する者 又はこれらの者であった者は、正当な理由がなく、その審査意見業務に 関して知り得た秘密を漏らしてはならない。(第28条関係)

(4) 厚生労働大臣は、認定臨床研究審査委員会が(1)の要件のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、認定委員会設置者に対し、これらの要件に適合させるために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。(第30条第1項関係)

(5) 厚生労働大臣は、(4)のほか、認定委員会設置者が3又は3に基づく命令に違反していると認めるとき、その他審査意見業務の適切な実施を確保するため必要があると認めるときは、認定委員会設置者に対し、 審査意見業務を行う体制の改善、審査意見業務を適切に実施するための 方法に関する業務規程の変更その他必要な措置をとるべきことを命ずることができる。(第30条第2項関係)

(6) 厚生労働大臣は、認定委員会設置者について、次のいずれかに該当するときは、(1)の認定を取り消すことができる。(第31条第1項関係)

イ 偽りその他不正の手段により(1)の認定、変更の認定又は認定の有効期間の更新を受けたとき。

ロ 認定臨床研究審査委員会が(1)の要件のいずれかに適合しなくなったとき。

ハ 欠格事由に該当するに至ったとき。

ニ 3又は3に基づく命令に違反したとき。

ホ 正当な理由がなくて5の(1)の報告若しくは物件の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対し、答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。

(7) 厚生労働大臣は、(6)により(1)の認定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。(第31条第2項関係)

4 臨床研究に関する資金等の提供

(1) 医薬品等製造販売業者又はその特殊関係者は、特定臨床研究を実施する者に対し、当該医薬品等製造販売業者が製造販売をし、又はしようとする医薬品等を用いる特定臨床研究についての研究資金等の提供を行うときは、当該研究資金等の額及び内容、当該特定臨床研究の内容その他厚生労働省令で定める事項を定める契約を締結しなければならない。(第32条関係)

(2) 医薬品等製造販売業者又はその特殊関係者は、当該医薬品等製造販 売業者が製造販売をし、又はしようとする医薬品等を用いる特定臨床研究についての研究資金等の提供に関する情報のほか、特定臨床研究を実 施する者又は当該者と厚生労働省令で定める特殊の関係のある者に対す る金銭その他の利益(研究資金等を除く。)の提供に関する情報であってその透明性を確保することが特定臨床研究に対する国民の信頼の確保に資するものとして厚生労働省令で定める情報について、厚生労働省令で定めるところにより、インターネットの利用その他厚生労働省令で定める方法により公表しなければならない。(第33条関係)

(3) 厚生労働大臣は、(1)又は(2)に違反する医薬品等製造販売業者 又はその特殊関係者があるときは、当該医薬品等製造販売業者又はその 特殊関係者に対し、これらに従って(1)の契約を締結すべきこと又は(2)の情報を公表すべきことを勧告することができる。当該勧告を受けた医薬品等製造販売業者又はその特殊関係者が当該勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。(第34条関係)

5 雑則

(1) 厚生労働大臣は、この法律の施行に必要な限度において、特定臨床研究を実施する者、認定委員会設置者若しくは医薬品等製造販売業者(その製造販売をし、又はしようとする医薬品等が特定臨床研究に用いられる者に限る。)若しくはその特殊関係者に対して、必要な報告若しくは帳簿、書類その他の物件の提出を求め、又はその職員に、これらの者の事業場に立ち入り、その帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。(第35条第1項関係)

(2) この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。また、地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。(第36条関係)

(3) この法律に規定するもののほか、この法律の実施のため必要な手続その他の事項は、厚生労働省令で定める。(第38条関係)

6 罰則

 罰則について所要の規定を設ける。(第39条~第43条関係)

7 検討

(1) 政府は、この法律の施行後2年以内に、先端的な科学技術を用いる医療行為その他の必ずしも十分な科学的知見が得られていない医療行為についてその有効性及び安全性を検証するための措置について検討を加え、その結果に基づき、法制上の措置その他の必要な措置を講ずる。(附 則第2条第1項関係)

(2) 政府は、この法律の施行後5年以内に、この法律の施行の状況、臨床研究を取り巻く状況の変化等を勘案し、この法律の規定に検討を加え、 必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずる。 (附則第2条第2項関係)

8 経過措置等

 その他所要の経過措置及び施行前の準備に関する規定を設ける。(附則第3条~第5条及び第8条関係)

9 施行期日

 この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して1年を超えない範 囲内において政令で定める日から施行する。

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