医療法通知

 医療機関等における院内感染対策について

サイトマップ有限会社 市川概要

  1. ホーム
  2. 医療法通知集等:索引
  3. 医療機関等における院内感染対策について

医療機関等における院内感染対策について

取扱い業務の図示イメージ

(平成23年6月17日)(医政指発0617第1号)
(各都道府県・各政令市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医政局指導課長通知)

院内感染対策については、「医療施設における院内感染の防止について」(平成17年2月1日医政指発第0201004号厚生労働省医政局指導課長通知。以下「第0201004号課長通知」という。)、「良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律の一部の施行について」(平成19年3月30日医政発第0330010号厚生労働省医政局長通知)、「薬剤耐性菌による院内感染対策の徹底及び発生後の対応について」(平成19年10月30日医政総発第1030001号・医政指発第1030002号)等を参考に貴管下医療施設に対する指導方お願いしているところである。

病院内での感染症アウトブレイクへの対応については、通常時からの感染予防、早期発見の体制整備並びにアウトブレイクが生じた場合の早期対応が重要となる。今般、第10回院内感染対策中央会議において、各医療機関等において対策を講ずるべき事項について、提言が取りまとめられたことを踏まえ、医療機関等における院内感染対策の留意事項を別記のとおり取りまとめた。この中では、感染制御の組織化として、感染制御チームの設置に関する事項を追加するとともに、多剤耐性菌によるアウトブレイク等施設内では対応が困難な事例へ備え、医療機関間の連携について記載している。またアウトブレイクを疑う基準並びに保健所への報告の目安を示している。貴職におかれては、改正の内容について御了知の上、貴管下医療施設に対する周知及び院内感染対策の徹底について指導方よろしくお願いする。
また、地方自治体等の管下医療機関等による院内感染対策支援ネットワークのあり方等に関しては、「院内感染対策中央会議提言について」(平成23年2月8日厚生労働省医政局指導課事務連絡)を参考にされたい。
なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項に規定する技術的助言である事を申し添える。
おって、第0201004号課長通知は廃止する。
また、第0201004号課長通知における留意事項を取りまとめる際に参考とした平成15年度厚生労働科学研究費補助金(厚生労働科学特別研究事業)による「国、自治体を含めた院内感染対策全体の制度設計に関する緊急特別研究」(主任研究者:小林寛伊・NTT東日本関東病院名誉院長)の分担研究報告書「医療施設における院内感染(病院感染)の防止について」(別添)について、引き続き活用されたい。

(別記)

医療機関等における院内感染対策に関する留意事項
院内感染とは、①医療機関において患者が原疾患とは別に新たにり患した感染症、②医療従事者等が医療機関内において感染した感染症のことであり、昨今、関連学会においては、病院感染(hospital-acquired infection)や医療関連感染(healthcare-associated infection)という表現も広く使用されている。
院内感染は、人から人へ直接、又は医療機器、環境等を媒介して発生する。特に、免疫力の低下した患者、未熟児、高齢者等の易感染患者は、通常の病原微生物のみならず、感染力の弱い微生物によっても、院内感染を起こす可能性がある。
このため、院内感染対策は、個々の医療従事者ごとに対策を行うのではなく、医療機関全体として対策に取り組むことが必要である。
また、地域の医療機関等でネットワークを構築し、院内感染発生時にも各医療機関が適切に対応できるよう相互に支援する体制の構築も求められる。

目次の先頭に戻る

感染制御の組織化

○ 病院長等の医療機関の管理者が積極的に感染制御に関わるとともに、診療部門、看護部門、薬剤部門、臨床検査部門、事務部門等の各部門を代表する職員により構成される「院内感染対策委員会」を設け、院内感染に関する技術的事項等を検討するとともに、全ての職員に対する組織的な対応方針の指示や教育等を行うこと。
○ 医療機関内の各部署から院内感染に係る情報が院内感染対策委員会に報告され、院内感染対策委員会から状況に応じた対応策が現場に迅速に還元される体制を整備すること。
○ 院内全体で活用できる総合的な院内感染対策マニュアルを整備し、また、必要に応じて、部門ごとにそれぞれ特有の対策を盛り込んだマニュアルを整備すること。これらのマニュアルは、最新の科学的根拠や院内体制の実態に基づき適時見直しを行うこと。
○ 検体からの薬剤耐性菌の検出情報等、院内感染対策に重要な情報が、臨床検査部門から診療部門へ迅速に伝達されるよう、院内部門間の感染症情報の共有体制を確立すること。
○ 感染制御チーム(後述)を設置する場合には、医療機関の管理者は、感染制御チームが円滑に活動できるよう、感染制御チームの院内での位置づけと役割を明確化し、医療機関内のすべての関係者の理解と協力が得られる環境を整えること。

目次の先頭に戻る

感染制御チーム

○ 病床規模の大きい医療機関(目安として病床が300床以上)においては、医師、看護師、検査技師、薬剤師から成る感染制御チームを設置し、定期的に病棟ラウンド(感染制御チームによって医療機関内全体をくまなく、あるいは、必要な部署を巡回し、必要に応じてそれぞれの部署に対して指導などを行うことをいう。)を行うこと。病棟ラウンドは、可能な限り1週間に1度以上の頻度で感染制御チームのうち少なくとも2名以上の参加の上で行うことが望ましいこと。
○ 病棟ラウンドに当たっては、検査室からの報告等を活用して感染症患者の発生状況等を点検するとともに、各種の予防策の実施状況やその効果等を定期的に評価し、各病棟における感染制御担当者の活用等により臨床現場への適切な支援を行うこと。
○ 感染制御チームは、医療機関内の抗菌薬の使用状況を把握し、必要に応じて指導を行うこと。 ○ 複数の職種によるチームでの病棟ラウンドが困難な中小規模の医療機関(目安として病床が300床未満)については、必要に応じて地域の専門家等に相談できる体制を整備すること。

目次の先頭に戻る

標準予防策と感染経路別予防策

○ 感染防止の基本として、例えば手袋・ガウン・マスク等の個人用防護具を、感染性物質に接する可能性に応じて適切に配備し、医療従事者にその使用法を正しく周知したうえで、標準予防策(全ての患者に対して感染予防策のために行う予防策のことを指し、手洗い、手袋やマスクの着用等が含まれる。)を実施するとともに、必要に応じ、院内部門や、対象患者及び対象病原微生物等の特性に対応した感染経路別予防策(空気予防策、飛沫予防策、接触予防策)を実施すること。また、易感染患者を防御する環境整備に努めること。
○ 近年の知見によると、集中治療室などの清潔領域への入室に際して、履物交換と個人用防護具着用を一律に常時実施することによる感染防止効果が認められないことから、院内感染防止を目的としては、必ずしも実施する必要はないこと。

目次の先頭に戻る

手指衛生

○ 手洗い及び手指消毒のための設備・備品等を整備するとともに、患者処置の前後には必ず手指衛生を行うこと。
○ 速乾性擦式消毒薬(アルコール製剤等)による手指衛生を実施していても、アルコールに抵抗性のある微生物も存在するため、必要に応じて水道水と石けんによる手洗いを実施すること。
○ 手術時手洗いの方法としては、持続殺菌効果のある速乾性擦式消毒薬(アルコール製剤等)による消毒又は手術時手洗い用の外用消毒薬(クロルヘキシジン・スクラブ製剤、ポビドンヨード・スクラブ製剤等)と水道水による手洗いを基本とし、水道水を使用した手術時手洗いにおいても、最後にアルコール製剤等による擦式消毒を併用することが望ましいこと。

目次の先頭に戻る

職業感染防止

○ 注射針を使用する際、針刺しによる医療従事者等への感染を防止するため、使用済みの注射針に再びキャップするいわゆる「リキャップ」を原則として禁止し、注射針専用の廃棄容器等を適切に配置するとともに、診療の状況等必要に応じて、針刺しの防止に配慮した安全器材の活用を検討するなど、医療従事者等を対象とした適切な感染予防対策を講じること。

目次の先頭に戻る

環境整備と環境微生物調査

○ 空調設備、給湯設備等、院内感染対策に有用な設備の適切な整備や、院内の清掃などを行い、院内の環境管理を適切に行うこと。
○ 環境整備の基本は清掃であるが、その際一律に広範囲の環境消毒を行わないこと。血液もしくは体液による汚染がある場合は、汚染局所の清拭除去及び消毒を基本とすること。
○ ドアノブ、ベッド柵など、医療従事者や患者が頻繁に接触する箇所については、定期的に清拭し、必要に応じてアルコール消毒等を行うこと。
○ 多剤耐性菌感染患者が使用した病室等において消毒薬による環境消毒が必要となる場合は、生体に対する毒性等がないように配慮すること。消毒薬の噴霧、散布、薫(くん)蒸や紫外線照射などは効果が不確実であるだけでなく、作業者への危険性もあることから、これらの方法については、単に病室等を無菌状態とすることを目的として漫然と実施しないこと。
○ 近年の知見によると、粘着マット及び薬液浸漬マットについては、感染防止効果が認められないことから、原則として、院内感染防止の目的としては、これらを使用しないこと。
○ 近年の知見によると、定期的な環境微生物検査は必ずしも施設の清潔度の指標とは相関しないことから、一律に実施するのではなく、例えば、院内感染経路を疫学的に把握する際に行う等、必要な場合に限定して実施すること。

目次の先頭に戻る

医療機器の洗浄、消毒、滅菌

○ 医療機器を安全に管理し、適切な洗浄、消毒又は滅菌を行うとともに、消毒薬や滅菌用ガスが生体に有害な影響を与えないよう十分に配慮すること。
○ 使用済みの医療機器は、消毒、滅菌に先立ち、洗浄を十分行うことが必要であるが、その方法としては、現場での一次洗浄は極力行わずに、可能な限り中央部門で一括して十分な洗浄を行うこと。

目次の先頭に戻る

手術と感染防止

○ 手術室は、空調設備により周辺の各室に対して陽圧を維持し、清浄な空気を供給するとともに、清掃が容易にできる構造とすること。
○ 手術室内を無菌状態とすることを目的とした、消毒薬を使用した広範囲の床消毒については、日常的に行う必要はないこと。

目次の先頭に戻る

新生児集中治療部門での対応

○ 保育器の日常的な消毒は必ずしも必要ではないが、消毒薬を使用した場合には、その残留毒性に十分注意を払うこと。患児を収容中は、決して保育器内の消毒を行わないこと。
○ 新生児集中治療管理室においては、特に未熟児などの易感染状態の患児を取り扱うことが多いことから、カテーテル等の器材を介した院内感染防止に留意し、気道吸引や創傷処置においても適切な無菌操作に努めること。

目次の先頭に戻る

感染性廃棄物の処理

○ 感染性廃棄物の処理については、『廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル』(平成21年5月11日環廃産発第090511001号環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長通知による)に掲げられた基準を遵守し、適切な方法で取り扱うこと。

目次の先頭に戻る

医療機関間の連携について

○ 緊急時に地域の医療機関同士が連携し、各医療機関のアウトブレイクに対して支援がなされるよう、医療機関相互のネットワークを構築し、日常的な相互の協力関係を築くこと。
○ 地域のネットワークの拠点医療機関として、大学病院や国立病院機構傘下の医療機関、公立病院等地域における中核医療機関、あるいは学会指定医療機関等が中心的な役割を担うことが望ましいこと。

目次の先頭に戻る

地方自治体の役割

○ 地方自治体はそれぞれの地域の実状に合わせて、地域における院内感染対策のためのネットワークを整備し、積極的に支援すること。
○ 地方衛生研究所等において適切に院内感染起因微生物を検査できるよう、体制を充実強化すること。

目次の先頭に戻る

アウトブレイク時の対応

○ 同一医療機関内又は同一病棟内で同一菌種(ここでは、原因微生物が多剤耐性菌によるものを想定。以下同じ。)による感染症の集積が見られ、疫学的にアウトブレイクが疑われると判断した場合、当該医療機関は院内感染対策委員会又は感染制御チームによる会議を開催し、1週間以内を目安にアウトブレイクに対する院内感染対策を策定かつ実施すること。
○ アウトブレイクを疑う基準としては、一例目の発見から4週間以内に、同一病棟において新規に同一菌種による感染症の発病症例(以下の4菌種は保菌者を含む:バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)、多剤耐性緑膿菌(MDRP)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、多剤耐性アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii))が計3例以上特定された場合、あるいは、同一機関内で同一菌株と思われる感染症の発病症例(抗菌薬感受性パターンが類似した症例等)(上記の4菌種は保菌者を含む)が計3例以上特定された場合を基本とすること。
○ アウトブレイクに対する感染対策を実施した後、新たな感染症の発病症例(上記の4菌種は保菌者を含む)を認めた場合、院内感染対策に不備がある可能性が有ると判断し、速やかに通常時から協力関係にある地域のネットワークに参加する医療機関等の専門家に感染拡大の防止に向けた支援を依頼すること。
○ 医療機関内での院内感染対策を講じた後、同一医療機関内で同一菌種による感染症の発病症例(上記の4菌種は保菌者を含む)が多数にのぼる場合(目安として10名以上となった場合)または当該院内感染事案との因果関係が否定できない死亡者が確認された場合においては、管轄する保健所に速やかに報告すること。また、このような場合に至らない時点においても、医療機関の判断の下、必要に応じて保健所に連絡・相談することが望ましいこと。
○ 報告を受けた保健所は、当該院内感染発生事案に対する医療機関の対応が、事案発生当初の計画どおりに実施され効果を上げているか、また地域のネットワークに参加する医療機関等の専門家による支援が順調に進められているか、一定期間、定期的に確認し、必要に応じて指導及び助言を行うこと。その際、医療機関等の専門家の判断も参考にすることが望ましいこと。
○ 保健所は、医療機関からの報告を受けた後、都道府県や政令市等と緊密に連携をとること。

目次の先頭に戻る

[別添]

平成15年度 厚生労働科学研究費補助金(厚生労働科学特別研究事業)分担研究報告書
国、自治体を含めた院内感染対策全体の制度設計に関する緊急特別研究
「医療施設における院内感染(病院感染)の防止について」
分担研究者 大久保憲 所属 NTT西日本東海病院外科部長
研究要旨
従来からの院内感染対策には、科学的根拠のない方法の採用や、過去の習慣により行われてきたことも多い。これらの感染対策について、適切なエビデンスをもとに改めて考えてみる必要がある。Evidence based precaution(EBP)とは、科学的な根拠に基づく予防策を指し、最も信頼できる根拠を把握したうえで、個々の状況を考慮した感染防止策を行うための一連の行動指針である。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus:MRSA)などの薬剤耐性菌および新興感染微生物による院内感染が引き続き問題となっていることから、この機会に改めて一般的な院内感染に対する注意を喚起する目的で感染防止のための推奨事項を提示する。(付記:院内感染または病院感染という用語は、世界的には在宅ケアでの感染を含めて「医療関連感染 healthcare-associated infections;HAIs」と言われることが多い)
研究協力者
小林寛伊(NTT東日本関東病院:名誉院長)
倉辻忠俊(国立国際医療センター研究所:副所長)
荒川宜親(国立感染症研究所細菌第二部:部長)
切替照雄(国立国際医療センター研究所:部長)

目次の先頭に戻る

A.表現用語

できるだけ簡明となるように基本表現を下記のごとくに定めた。
1.必須事項(・・・する必要がある。・・・しなければならない)
必須の実施事項であると判断される項目についての表現。
2.推奨事項(・・・が望ましい)
院内感染防止のために必要性があり、できるだけ実施してほしいが、種々の理由で実施困難な場合も想定される事項についての表現。
3.禁止事項(・・・してはならない。・・・する必要はない)
実施することにより感染防止効果がないばかりか、弊害を生ずる可能性のある項目。

目次の先頭に戻る

B.基本的推奨事項

1.感染制御の組織化

病院においては院内感染の発生を未然に防止することと、ひとたび発生した感染症が拡大しないように制圧することが大切である。そのためには施設管理者(病院長など)が積極的に感染制御に関わり、感染対策委員会、感染対策チーム(ICT)などが中心となって、総ての職員に対して組織的な対応と教育・啓発活動をしなければならない1)。
院内感染実務担当者は、一定の権限のもとに組織横断的に活動する必要がある。

目次の先頭に戻る

2.感染対策マニュアル

医療機関においては院内全体で活用できる総合的なマニュアルに加えて、必要に応じて部門ごと等のそれぞれ特有の対策を盛り込んだマニュアルを整備し、常に見直しを行ない、更新している必要がある。 効率よく感染防止を実施するためには、感染対策マニュアルを充実させ、患者や医療従事者への感染防止において、科学的根拠に基づいた予防策を採用し、経済的にも有効な対策を実施できるマニュアルを作成する必要がある2―4)。

目次の先頭に戻る

3.サーベイランスの実施とアウトブレイクの察知

日常的に自施設における感染症の発生状況を把握するシステムとして、対象限定サーベイランスを必要に応じて実施することが望ましい5―7)。
その際、院内の各領域別の微生物の分離率ならびに感染症の発生動向から、院内感染のアウトブレイク8,9)をいち早く察知し、アウトブレイク時の初動態勢を含めて迅速な対応がなされるよう、感染に関わる情報管理を適切に行なう必要がある。
臨床微生物検査室では、検体からの検出菌の薬剤耐性パターンなどの解析を行なって、疫学情報を臨床側へフィードバックする必要がある。

目次の先頭に戻る

4.標準予防策と感染経路別予防策等

医療機関においては、最も有効な感染防止対策として標準予防策3,4)を実施する必要がある。たとえば、湿性生体物質などの感染性物質に触れる可能性のある場合には手袋・ガウン・マスクなどの個人用防御具が適切に配備され、その使用法が正しく認識、遵守されている必要がある。呼吸器症状のある場合には、咳による飛沫を防止するために口にタオルなどをあて、汚染の拡散防止を図らなければならない。また、疾患及び病態等に応じて感染経路別予防策(空気予防策、飛沫予防策、接触予防策)を追加して実施する必要がある4)。従来の基本的な感染経路別予防策に加えて、「防御環境 protective environment」という概念が加わり、易感染患者を病原微生物から保護することにも重点が向けられるようになってきた。
集中治療室などの清潔領域への入室に際して、履物交換と個人用防御具着用を常時実施する必要はない10,11)。 各種の感染防御用具の対応を容易かつ確実に行なう必要があり、感染性疾患の患者は個室収容されることが望ましい。

目次の先頭に戻る

5.手洗いおよび手指消毒

手洗いおよび手指消毒のための設備・備品を整備し、患者ケアの前後に必ず手指消毒しなければならない12)。
手指消毒の基本は擦式消毒用アルコール製剤の使用もしくは抗菌性石けん(クロルヘキシジン・スクラブ剤、ポビドンヨード・スクラブ剤等)と流水による手指消毒である。目に見える汚れがある場合には流水と石けんで洗った後にアルコール擦式消毒を行なう必要がある12―15)。

目次の先頭に戻る

6.職業感染防止

針刺し切創防止にはリキャップを禁止するとともに、廃棄専用容器を配置する必要がある。その際、安全装置付き器材を導入することが望ましい16,17)。
ワクチン接種によって感染予防が可能な疾患に対しては、医療従事者が当該ワクチンを接種する体制を確立することが望ましい。

目次の先頭に戻る

7.環境整備と環境微生物調査

院内における空気調和(空調)および給湯設備の適切な管理等、感染対策に有用な建築設備が整備され、清掃や環境管理が適切に行なわれる必要がある。
病院環境整備の基本は清掃であり、広範囲の環境消毒はしてはならない。血液・体液による汚染がある場合は、汚染局所を清拭除去し消毒を行なう必要がある18―21)。
手が常に触れる部位(ドアノブ,ベッド柵など)は,定期的な清拭もしくはアルコール消毒が必要である。消毒薬の噴霧、散布、薫蒸や紫外線照射などは効果が不確実であり、作業者への危険性もあり、院内で実施してはならない。
粘着マット、薬液浸漬マットは感染防止効果が認められていないため使用する必要はない22―26)。
環境微生物検査は定期的に行う必要はなく、その結果が施設清浄度の指標となるものでもないので、感染経路を把握するなど、疫学的な目的に限定して実施すべきものである27)。

目次の先頭に戻る

8.器材の洗浄、消毒、滅菌

医療材料、機器などが安全に管理され、器材の洗浄・消毒・滅菌が適切に行なわれなければならない。消毒薬や滅菌用ガスが生体に有害とならないような配慮が必要である。そして、日常の滅菌は、滅菌保証が十分得られるような条件で行ない、各種滅菌インジケータを使用し、それを保存する必要がある(日本医科器械学会「滅菌保証のガイドライン」28)参照)。
使用器材は現場での一次洗浄は行なわずに、中央の滅菌供給部門で行なうことが望ましい。器材の消毒および滅菌に先立ち、洗浄を十分行なわなければならない。
生体の無菌領域へ使用する器材は滅菌が必要であり、粘膜に接触する器材は高水準消毒を行ない、正常皮膚に接触するものは低水準消毒もしくは水拭きしなければならない29)。
軟性内視鏡の処理は、洗浄後に高水準消毒を行い、その後水で十分すすいで乾燥させて保管する必要がある30―35)。内視鏡検査において無菌性が要求される処置では、フィルタ(孔径0.25μm)を通した水ですすぐことが望ましい。生検鉗子は滅菌したものを使用し、術者は標準予防策を遵守して検査を行なわなければならない。

目次の先頭に戻る

9.手術と感染防止

手術室は周辺の各室に対して陽圧を維持し、清浄な空気を供給するとともに、清掃が容易にできる構造としなければならない。環境の無菌性を目的に日常的に消毒薬を使用した床消毒は行なう必要はない。手術中の感染防止には無菌操作を基本とした手術手技を確立しなければならない23)。
術前患者の準備として硬毛が邪魔になる場合以外は除毛してはならない。除毛する場合もカミソリ剃毛は行なわない36,37)。術野消毒は生体消毒薬にて広範囲に消毒しなければならない。
手術時の手指消毒は、アルコール擦式消毒もしくは抗菌性石けんと流水による手洗いが基本とされ、手洗い水は管理された水道水で十分であり、あえて滅菌水を使用する必要はない38)。
予防的抗菌薬は、清潔手術・準清潔手術に対して、手術直前にセフェム系第一世代もしくは第二世代抗菌薬(下部消化管などではこの限りではない)を一回投与し、長時間手術等の場合には術中に追加投与することがある。術後長期間に亘る予防的抗菌薬投与は行なってはならない39―51)。消化器外科手術では術後3日間程度の投与が一般的であるが、術直前投与のみの方法も採用されている。
手術室への入室に際して履物交換は不要であるが10,11)、手術中には帽子、外科用マスク、手術用衣(術者はさらに滅菌ガウン)を着用する必要がある。

目次の先頭に戻る

10.カテーテル関連感染対策

1) 血管内留置カテーテル感染対策
輸液の調合は無菌的に行ない、速やかに投与を開始しなければならない52―56)。
高カロリー輸液のためのカテーテル挿入部位は左右の鎖骨下静脈を使用し、滅菌手袋、滅菌ガウン、マスク、キャップと大き目の覆布を使用することが望ましい57―59)。
輸液関連器材の消毒はアルコール製剤を使用し、中心静脈カテーテルの交換は定期的に行なうのではなく、感染症状など抜去の必要性がある場合に交換することが望ましい60―64)。
2) 尿路留置カテーテル感染対策
カテーテル挿入は無菌操作に留意し、尿の逆流と回路からの細菌の侵入を防止する必要がある65,68)。刺入部位の消毒は不要であり69)、汚染が強い場合には外陰部を微温湯にて洗浄する必要がある。
膀胱洗浄やカテーテル交換は定期的ではなく、閉塞などの所見が見られた場合に実施する70)。

目次の先頭に戻る

11.抗菌薬耐性菌対策

薬剤耐性菌の検出状況や感受性パターンなどのデータを把握し、抗菌薬の濫用を避けなければならない。薬剤師と協力して抗菌薬使用のマニュアルを作成し71―76)、重要な抗菌薬の使用を許可制にすると同時に、治療薬剤モニタリング(therapeutic drug monitoring:TDM)77―81)を行なうことが望ましい。
MRSA保菌者および感染者へは標準予防策で対応する必要がある。特に感染防止には易感染患者に対して注意が必要となる。易感染患者が少ない施設では、鼻腔などへのMRSAの保菌(定着)を理由に診療を拒否する根拠はない87)。

目次の先頭に戻る

12.NICUでの対応

未熟児を扱うNICUでは、カテーテル関連感染および医療器材関連感染防止に注目し83―85)、気道吸引や創傷処置においても無菌操作に留意する必要がある86,87)。保育器は日常的な消毒はしないが、消毒薬を使用した場合には、残留毒性に注意する88)。

目次の先頭に戻る

13.その他

1) 感染性廃棄物処理
感染性廃棄物処理マニュアル(平成16年3月16日改正)に基づき、密閉した容器で収集運搬し、感染性を失わせる処分方法などの基準を遵守する必要がある。
2) 行政への連絡等
感染症法等の法律に規定されている疾患については、所轄の保健所へ届け出ることとされている。これ以外の院内感染のアウトブレイクを察知した場合などには、所轄の保健所へ相談して支援・助言を求めることが望ましい。院内感染地域支援ネットワークが構築されている地域においては、それらを活用して支援・助言を求めることができる。

目次の先頭に戻る

C.具体的な事項(解説を含めて)

1.感染制御の組織化

病院では感染制御のための組織が作られ、病院管理者が積極的に関わっていなければならない1)。
感染対策委員会は各部門の代表者(管理的立場にある職員、医師、看護師、薬剤師、検査技師、滅菌技士等)が参加し、定期的に開催して、感染防止に対する基本姿勢と年間計画などを作成する。また、直接的に感染制御を実務担当する感染制御医師(ICD)、感染制御看護師(ICN)もしくは感染制御担当者(ICP、ICS)などからなる院内感染対策チーム(ICT)が任命され、定期的に病棟巡回を実施して現場での情報収集、情報提供、効果的介入、スタッフ教育・啓発と院内感染状況の把握に努めなければならない。
ICTの一員として抗菌薬使用に関する薬剤師および臨床微生物検査技師の現場介入も必要である。その他、病棟などの医療現場で業務を行ないながらICTとのつなぎ役として経験豊富な看護師(リンクナース)2)を任命して情報交換を行なうシステムもある。このようにICTを機能化することにより、効果的かつ迅速な対応が可能となる。 院内感染実務担当者には、院内で一定の権限と責任が与えられて組織横断的な活動が求められる1)。さらに地域医療圏との関係を密接にし、広域的な感染防止対策にも協力していかなくてはならない。

目次の先頭に戻る

2.感染対策マニュアル

医療機関では院内全体で活用できる総合的な感染対策マニュアルと、必要に応じて部門ごとに特有の感染対策を盛り込んだマニュアルを整備する必要がある。この感染対策マニュアルは最新の科学的根拠に基づき、常に見直しを行なって更新しなければならない3,4)。
内容的には標準予防策の概念を導入すると同時に、血管内留置カテーテル感染対策、器材の洗浄・消毒法、患者環境の清潔管理法、個室病室への収容基準、対象限定サーベイランスの実際、手洗いと手指消毒、薬剤耐性菌対策、空気感染防止対策、飛沫感染防止対策、接触感染防止対策、尿路感染防止対策、手術部位感染防止対策、未熟児・新生児感染防止対策、ワクチン接種規定、医療従事者の感染対策、新興・再興感染症対策、抗菌薬使用の院内指針、術後感染予防薬投与の基準、無菌性の破綻が無い手技の厳守などが記述されていることが望ましい。 さらにマニュアルには院内感染が起きた場合の患者インフォームドコンセントが適切に行なえるような手順が述べられていることが必要である。

目次の先頭に戻る

3.サーベイランスの実施とアウトブレイクの察知

日常的に院内で発生する感染症の発生状況を把握するシステムとして対象限定サーベイランスを実施することが望ましい5―7)。
対象限定サーベイランスとして、血管内留置カテーテル感染、尿道留置カテーテル感染、手術部位感染、人工呼吸器関連肺炎、細菌分離状況や薬剤感受性試験などを必要に応じて実施することが望ましい。それぞれの感染について、基本となる定義(NNIS system:全米院内感染サーベイランスシステムなど)に基づいた調査が重要であり、国際的にもデータが比較できるシステム内容とする必要がある。
さらに、サーベイランスのデータから院内感染のアウトブレイク8,9)を早期に察知し、速やかに感染の拡大防止に努めなければならない。アウトブレイク時の初動態勢など事態収拾に向けた対応が求められる。アウトブレイクの終息は、最後の症例の感染性が消失してから、その疾患の潜伏期間の2倍が経過した時点を目安とすべきである。しかし、院内生息菌によるものでは定着症例が存在することを考慮しなければならない。
沈静化後は感染対策の評価とその後の再発防止策等についての検討が必要となる。
分離菌の種類や推移が検体別、領域別に把握され、特に抗菌薬耐性菌の検出頻度と耐性化率が領域別に定期的に報告されている必要がある。しかし、鼻腔スクリーニングなどの監視培養は対象を限定して、入退院を繰り返している者、過去に耐性菌感染の既往がある者、侵襲の過大な手術の予定者、臓器移植患者など、それぞれの病院でハイリスクグループを決めて、必要に応じて実施すべきであり、全患者を対象としたスクリーニングの意義は疑問視されている90)。

目次の先頭に戻る

4.標準予防策と感染経路別予防策等

標準予防策を実施するために以下の事項を徹底しなければならない3,4)。
各病室ならびに清潔区域には流水式手洗い設備を設け、擦式消毒用アルコール製剤を配置しなければならない(精神科など例外となる区域もある)。
湿性生体物質はすべて感染性があるものとして対応されるべきである。湿性生体物質、粘膜、創に触れるときには新しい手袋を着用する。湿性生体物質が飛散し目、鼻、口の粘膜に付着するのを防ぐためマスクやゴーグルなどを着用し、湿性生体物質で衣服が汚染されるのを防止するために防水性のエプロン・ガウンを着用する。患者の血液・体液で汚染した器材の洗浄には手袋、防水性エプロンのほか場合によってはマスクやゴーグルが必要な場合がある。
呼吸器症状のある患者が咳をする場合には、鼻や口にタオルなどを当てて、分泌物が飛散しないような注意が必要であり、その後の手指消毒も重要である。
空気感染隔離予防策の必要な疾患は、飛沫核を介した感染に限定される疾患(結核)と空気感染以外にも感染経路が存在するが、主な感染経路が空気感染である疾患(麻疹、水痘)および特殊環境下でのみ空気感染する可能性のある疾患(重症急性呼吸器症候群:SARS)に分類できる。
集中治療室(ICU)などの清潔区域への出入りにおいて感染防止のための一律的な履物交換、マスク、ガウンの着用などは行なわないが、個人用防御具(手袋、マスク、ガウン、ゴーグル、帽子、足カバーなど)を適切に配備し、接触感染防止には手袋とガウンを着用し、飛沫感染防止にはさらにマスクやゴーグルを着用する。さらに、これらの防御具の着脱の手順が正しく認識されて遵守されていなければならない10)。
肺結核症などの空気感染防止では、病室は前室を有して陰圧制御とし、空調は全外気方式にて行ない、排気口が居住地に隣接する場合には超高性能フィルタでろ過して排出する必要がある91)。一方、再循環方式の場合では単独回路内に超高性能フィルタを設置して空気をろ過しなければならない。従来の病室を利用する場合には、簡易型で超高性能フィルタ内蔵の空気清浄装置を設置して陰圧制御する方法もある92)。
感染性疾患の患者を個室収容(隔離)する目的は、各種の感染防御用具の対応を容易かつ確実に行なうためであり、患者を室内に拘束することが目的ではない。
多床室でも技術的に隔離することは可能であるが、対象患者が多数発生した場合には、一定の領域にまとめて収容し、看護体制も他の部署との交流を絶つコホート管理21,93)が行なわれることが望ましい。
従来の感染経路別予防策に加えて、易感染患者を病原微生物から保護するために「防御環境 protective environment」という概念も提唱されている。

目次の先頭に戻る

5.手洗いおよび手指消毒

手指消毒の基本はアルコール擦式消毒である。これに代わる方法として抗菌性石けん(クロルヘキシジン・スクラブ,ポビドンヨード・スクラブなど)と流水を用いてもよい。目に見える汚れがある場合には非抗菌性石けんと流水もしくは抗菌性石けんと流水のいずれかで手を洗う11―14)。擦式消毒用アルコール製剤は15秒以内に乾燥しない程度の十分量(約3ml)を使用し、アルコールが完全に揮発するまで両手を擦り合せる必要がある11,94)。
手指消毒のタイミングは、患者のケアの前後および手袋を外した後、中心静脈カテーテルおよび導尿カテーテルを挿入するなどの侵襲的処置の前、患者周辺器材に触れた後などである。医療従事者のみならず、患者や見舞い客についても手指消毒の遵守を促す必要がある。
流水と石けんによる手洗いが見直された背景には、この手洗い方法の有効性の根拠とされたエビデンスの多くが30~60秒間をかけた手洗いであるにもかかわらず、実際の医療現場では7~10秒程度95)の手洗いしか行なわれていない点、またアルコールは普通石けんに比較して明らかに減菌効果が高く、皮膚に対する反応においても、保湿剤の配合された擦式消毒用アルコール製剤の方が手荒れの頻度が少ない点などが明らかになったことがある11)。さらに、流水と石けんの手洗いでは手洗い場までのアクセスにおいて時間と距離の問題があるが、アルコール擦式消毒はベッドサイドでも行なえるという利点がある。

目次の先頭に戻る

6.職業感染防止

針刺し切創による感染防止のために、リキャップを禁止するとともに各ベッドサイドに専用の耐貫通性の廃棄容器を設置して安全に廃棄しなければならない。また、針刺し防止のための安全装置付き器材を導入することが望ましい15,16)。
通常の注射針を使用するときにはリキャップしてはならない。
医療従事者をはじめ、病院内で業務を請け負う職種、実習生、研修者等は、B型肝炎、麻疹、風疹、水痘、流行性耳下腺炎、インフルエンザ等のウイルス抗体価検査を行なうとともに、率先してワクチン接種することが望ましい。

目次の先頭に戻る

7.環境整備と環境微生物調査

病院環境整備の基本は清掃による汚染の除去であり、洗面所、便所、汚物処理室を含め、その他患者の出入りする院内全般に対して毎日の清掃が必要である17―20)。細菌汚染が強い領域といえども常時消毒する必要はない。しかし、便を介した特異的な感染症(腸管出血性大腸菌O157:H7など)が多発している場合には、洗面所や便所などにおいて手が触れる部位は、アルコール類、第四級アンモニウム塩などを使用して定期的な消毒を行なう意義はある
。 床などの環境表面に対して広範囲の消毒は行なわない。手がしばしば接触する環境表面は頻回の水拭き清掃もしくはアルコールによる清拭消毒が必要である。床などの水平面は、血液・体液等目に見える汚染がある場合には、汚れを安全な方法で清拭除去した後に汚染局所の消毒を行なう。それ以外の場合には消毒薬を使用する必要はなく、一日一回の定期的な清掃、患者の退院時の清掃、汚染時清掃など、時期を決めた清掃が行なわれる必要がある。一方、壁やカーテンなどの垂直面は感染との関わりはさらに低いため、目に見える汚染がある場合に清拭もしくは洗浄すればよい96)。床の清掃には汚れたモップを何度も使用すると、汚染の拡大になるため、清潔な清掃用具を使用する必要がある。
環境に付着する菌が感染をおこすためには、菌の存在、その毒力・菌力(ビルレンス:感染を起こすことができる能力の程度)、菌量、菌の侵入門戸の存在、患者の易感染性とともに、菌が環境から患者に達する感染経路が存在しなくてはならない。したがって、広範囲の環境の無菌性を追求するのではなく、感染経路を有効に遮断して感染防止を行なうことが有効で且つ確実な方法である。消毒薬にて環境を消毒しても短時間に元の汚染状態に戻ってしまう。
環境に対する消毒薬の使用方法として、噴霧、散布、薫蒸および照射などは消毒効果が不確実であるばかりか、作業者への有害性および周辺環境への残留毒性などの観点から行なうべきではない96)。
環境消毒に生体消毒薬ならびに高水準消毒薬は使用しないとともに、面積の広い部分にアルコールは使用しない。
また、病室や手術室の入り口の粘着マットおよび薬液浸漬マットについては、それらを不要とするエビデンスは示されていないが、粘着マット周辺はむしろ汚染されており清掃がしにくく、しかも粘着マットを中止しても感染率等には変化がないので、これらのマットの有効性は否定されている22―26)。
定期的な環境の細菌検査(落下細菌検査、表面汚染菌検査等)は行なわない27)。その理由は、環境は常に変化しており、一定の条件化で比較できないこと、多くのコロニーを全て同定する労力の問題、さらに環境汚染度と感染との関係を示すパラメータが存在しないことおよび費用の問題などである。したがって、環境細菌検査の結果が施設清浄度の指標となるものでもない。しかし、特異的な感染症が発生した場合に、その感染源を特定するなど疫学的な調査のための環境の細菌検査は重要である。
院内における空調および給湯設備の管理を適切に行なう必要がある。(日本医療福祉設備協会規格「病院空調の設計管理指針 HEAS―02,2004」を参照)

目次の先頭に戻る

8.器材の洗浄、消毒、滅菌

再使用器材の洗浄は使用現場での一次洗浄処理を避け、中央の滅菌供給部門(材料部など)などで一括して安全に行なうことが望ましい。
器材の消毒においては予め洗浄を十分行なう必要がある。熱を利用した消毒が第一選択であるが、非耐熱性器材に対しては消毒薬を使用する。消毒薬は、その作用機序や殺菌効果および抗菌スペクトルを考慮して目的に応じた使い方をすることが大切であり、その消毒薬の使用方法は浸漬法と清拭法が基本である29)。消毒薬は決められた濃度にて使用期限内のものを使用し、使用後は適切に廃棄する必要がある。
体内の無菌の組織や血管系に挿入する器材は滅菌(高圧蒸気滅菌、酸化エチレンガス滅菌、過酸化水素ガスプラズマ滅菌など)するか、もしくは化学滅菌剤(グルタラール、過酢酸)に長時間接触させる必要があり、粘膜に接触するものは必要に応じて熱水消毒(80℃、10分間)または高水準消毒薬(グルタラール、フタラール、過酢酸)を使用した消毒をおこなう。正常な皮膚に接触する器材は低水準消毒、アルコールもしくは水拭きによる清拭でよい29)。
粘膜に接触する器材として軟性内視鏡の使用後の処理は、吸引・生検チャンネル内を十分にブラッシング、流水洗浄を行なった後に、自動洗浄器を使用してグルタラール、フタラール、過酢酸などの高水準消毒薬を使用して消毒し、その後十分量の水によりすすいで乾燥させなければならない30―35)。高い無菌性を要求される内視鏡では、すすぎ用の水は無菌水を使用する必要がある。生検鉗子は滅菌済みのものを使用し、さらに作業者は個人用防御具を適切に使用して、標準予防策を遵守しなければならない。
病院内で行なわれる日常の滅菌では、滅菌保証が十分得られるように適宜化学的インジケータ、生物学的インジケータなどを使用して滅菌工程を評価し記録を保存する(日本医科器械学会「滅菌保証のガイドライン」28)参照)。
既滅菌物は適切な包装がしてあれば、汚染物との厳格な動線の分離は必要ないが、汚染されにくい場所で保管しなければならない。
滅菌不良が生じた場合には前回確認日までのリコール(滅菌不良と思われる物の回収)を速やかに行なう必要がある。リコールが適切に行なわれることがリスク管理上重要であり、そのための院内マニュアルが必要である。

目次の先頭に戻る

9.手術と感染防止

手術室は、周辺室から塵埃が入らないようにし、有効な室内圧と気流を確保し、その内壁全部を不浸透質の素材で覆い、適切な空気調和(空調)による清浄空気の供給と照明設備を有し、清掃がしやすい構造としなければならない。清潔と不潔の動線の交差を厳しく設定することや、履物の交換および術後の広範囲の床消毒などを行なうことは、感染対策上において科学的根拠が認められない。
整形外科のインプラント手術に相当する清潔度を要求する手術以外の手術を行なう一般手術室では、超高性能フィルタの設置は不要である23)。
手術室への入室に際して履物交換は不要であるが、手術中の部屋に入る場合には帽子、マスク、手術用下着(手術衣)を正しく着用し、素肌をなるべく露出しないように心がけなければならない。
術前の患者準備において、硬毛が邪魔になる場合以外は除毛しない。除毛する際もクリッパー(電気カミソリ)等を使用し、カミソリによる剃毛は行なってはならない36,37)。シャワー浴などで皮膚の清浄化を図ることは大切である。
手術前の手指消毒はアルコール擦式消毒(ラビング)もしくは抗菌性石けん(クロルヘキシジン・スクラブ,ポビドンヨード・スクラブなど)と流水による手洗い(スクラビング)が基本である。抗菌石けんを使用したスクラビング法とアルコール擦式消毒によるラビング法とを比較した臨床試験で、両者間に手術部位感染率において有意差がなかった38)。一方、同様に手指付着菌数で比較した検討においても両者間において有意差が認められなかった97)。以上のエビデンスから、手術時の手指消毒には、アルコール擦式消毒法のみでも問題ないことが明らかとなった。また、水道水と滅菌水による手術時手洗い(スクラビング法)を、付着菌数で比較した検討では、水道水でも滅菌水でも菌数には差が見られなかった98)。したがって手術時手洗いに使用する水は、水道水でも滅菌水でも構わないと結論できる。
スクラビング法では過度なブラッシングに伴う手荒れにも注意する必要があり、最近ではブラシを指先のみに適用する短時間手洗い法や、ブラシを使用しない揉み洗いによる手洗い法も行われている。手荒れのある皮膚には多くの細菌が生息しており、薬剤耐性菌の存在する可能性も高く、感染対策上で問題となる。
術野の皮膚消毒は、アルコール製剤、クロルヘキシジン製剤、ヨードホール製剤にて十分の範囲を消毒する23)。消毒薬の毒性を考慮して適用領域を決めなければならない。また、アルコール製剤は燃焼する危険があり、注意が必要である。
予防的抗菌薬は、手術創分類において清潔手術・準清潔手術に対して、手術直前にセフェム系第一世代もしくは第二世代抗菌薬(下部消化管などではこの限りではない)を一回投与し、長時間手術等の場合には術中に追加投与することがある39―51)。術後長期間に亘る予防的抗菌薬投与は行なってはならない。消化器外科手術では術後3日間程度の投与が一般的である。
手術終了後の手術室清掃は、目に見える汚染が無い場合には水拭き清掃もしくは湿式吸引清掃でよい。血液や体液が付着する部分は拭き取った後に必要に応じて局所的消毒を行なう。

目次の先頭に戻る

10.カテーテル関連感染対策

1) 血管内留置カテーテル感染対策
高カロリーの栄養管理が必要な場合には、可能な限り経腸栄養法を用いる。
高カロリー輸液の調合は無菌的に行ない、混合物を最小限にとどめ、速やかに投与を開始しなければならない52―56)。カテーテル挿入部位は鎖骨下静脈を第一選択とし、挿入の際には滅菌手袋、滅菌ガウン、マスク、キャップと大き目の覆布を使用する57―59)。輸液ラインの接続部などの消毒にはアルコール類を使用する。三方活栓の使用は控える。輸液セットの交換は週に2回程度とするが、カテーテルの交換は定期的に行なう必要はない60―64)。
2) 尿路留置カテーテル感染対策
尿道カテーテルの留置を回避できないかをまず考慮する。
カテーテルを挿入する場合は、無菌操作に心がけて無理のない固定をする。カテーテル挿入部の清潔を保つことが重要であり、シャワーや洗浄で清潔にすれば特別な消毒は不要である。閉鎖式導尿システムを選択し、尿が逆流しないように膀胱部より低い位置に固定する65―69)。
膀胱洗浄やカテーテル交換は定期的ではなく閉塞など必要性がある場合のみに行なう70)。

目次の先頭に戻る

11.抗菌薬耐性菌対策

施設内での各種薬剤耐性菌の検出頻度や薬剤感受性パターン、動向などを把握しなければならない71―76)。薬剤耐性菌の伝播防止には標準予防策の遵守と接触感染予防策が大切である。患者間感染、環境や器具を介した接触感染にも注意が必要である。
抗菌薬の濫用が薬剤耐性菌の増加に関わる状況から、薬剤感受性試験に基づいて抗菌薬を選択し、多剤併用投与、長期投与を避けることが望ましい。抗菌薬の有効性を得るために、体内動態・薬力学を考慮して抗菌薬の選択と投与を行なう。そのためには、各施設で抗菌薬使用のための基準をつくり、薬剤部は感染対策委員会及びICTと協力してコンサルテーションシステムを構築する必要がある。このように院内感染防止における薬剤部の関わりは重要である71―76)。特に、抗MRSA薬の使用は、院内で届出制にするなど使用制限が必要であり、さらに、これらの薬剤は治療薬物モニタリング(TDM)することが推奨されている77―81)。
MRSA感染者ならびに保菌者への対応は、標準予防策で十分対応可能である。保菌者に比較して感染患者の方が問題になるとは限らない。MRSAなどの耐性菌においては、患者から飛散する菌の量が問題である。感染症を発症している患者が必ずしも多くの菌を排出しているとは限らない。
これらの薬剤耐性菌は、特に易感染患者に対して感染対策上で問題となるものであり、易感染患者が少ない施設では、鼻腔などへの保菌(定着)を理由に診療または入所を拒否する根拠はない82)。

目次の先頭に戻る

12.NICUでの対応

カテーテル関連感染が最も頻度が高いため、採血などの日常検査を最小限とし、薬物投与は無菌的操作で行なう必要がある。臍帯動静脈カテーテルは感染または血栓などの徴候が現れたら抜去し再挿入してはならない。また、抗菌軟膏またはクリームは真菌感染を助長するため、臍帯カテーテル刺入部には使用してはならない。同様に気道吸引や創傷処置も無菌操作の原則を遵守して実施する必要がある。処置ごとに手袋を交換して感染防止を図る方法もあり,有用である99)。
患児に接する前後のスタッフのアルコール擦式手指消毒を徹底し、保育器内の清拭とリネン類の乾燥に心がけて清潔環境の維持に努めなければならない。日常的に保育器内を消毒することは推奨されていないが86)、消毒薬を使用した場合にはその残留毒性に注意しなければならない。
感染性疾患のある者の面会は禁止し、スタッフが呼吸器感染などの感染性疾患に罹患した場合には、その間の従事を避けることが望ましい。

目次の先頭に戻る

13.その他

1) 感染性廃棄物処理
感染性廃棄物処理マニュアル(平成16年3月16日改正)100)に基づき、密閉した容器での収集運搬し、感染性を失わせる処分方法などの基準を遵守しなければならない。
血液や体液に関わるもの以外に、排出場所として感染症病床、結核病床、手術室、緊急外来室、集中治療室および検査室において、治療・検査等に使用された後に排出されたものも感染性廃棄物として対応することが義務付けられた。また、非感染性廃棄物にも非感染性であることを明記したラベルを付けることが推奨されている。
2) 行政への連絡等
感染症法等の法律に規定されている疾患については、所轄の保健所へ届け出ることとされている。これ以外の院内感染のアウトブレイクを察知した場合などには、所轄の保健所へ相談して支援・助言を求めることが望ましい。院内感染地域支援ネットワークが構築されている地域においては、それらを活用して支援・助言を求めることができる。

目次の先頭に戻る
D.文献

1) 小林寛伊,吉倉廣,荒川宜親,倉辻忠俊(編).エビデンスに基づいた感染制御第一集,第二集,第三集.東京:メヂカルフレンド社 2003.
2) Hospital Infection Working Group of DH/PHLS.Hospital infection control.London:Department of Health 1995.
3) Garner JS.Guideline for isolation precaution in hospitals.Infect Control Hosp Epidemiol 1996;17:53-80.
4) Garner JS.向野賢治ほか訳.病院における隔離予防策のためのCDC最新ガイドライン.小林寛伊監訳.インフェクションコントロール別冊 1996.
5) Lee TB,Baker OG.Surveillance,Chapter5.In:APIC.Infection control and applied epidemiology:Principles and practice.St Louis,MO:Mosby,1996:1-18.
6) Gaynes RP.Surveillance of nosocomial infections.In:Bennet JV et al eds,Hospital infection.4th ed.Philadelphia,PA:Lippincott- Raven,1998:65-84.
7) Gaynes RP,Horan TC.Surveillance of nosocomial infections.In:Mayhall CG,ed.Hospital Epidemiology and Infection Control.2nd ed.Baltimore:Williams and Wikins,1999:1285-317.
8) Hospital Infection Working Group of the Department of Health and Public Health Laboratory Service.Hospital infection control.London:CPLS.1995.
9) Jarvis WR.Investigating endemic and epidemic nosocomial infections.In:Benntt JV,Brachman PS,Eds.Hospital infection 4th edn.Philadelphia:Lippincott-Raven.1998;85-102.
10) Weightman NC,Banfield KR.Protective over-shoes are unnecessary in a day surgery unit.J Hosp Infect 1994;28:1-3.
11) Hambraeus A,Malmorg AS.The influence of different footwear on floor contamination.Scand J Infect Dis 1979;11:243-6/
12) Boyce JM,Pittet D,HICPAC et al.Guideline for hand hygiene in health care settings.Am J Infect Control 2002;30:S1-S46.
13) Larson E.A causal link between handwashing and risk of infection? Examination of the evidence.Infect Control Hosp Epidemiol 1988;9:28-36.
14) Pittet D,Hugonnet S,Harbarth S,Mourouga P,Sauvan V,and Touveneau S.Effectiveness of a hospital-wide programme to improve compliance with hand hygiene.Lancet 2000;356:1307-12.
15) Larson EL,Eke PI,and Laughon BE.Efficacy of alcohol-based hand rinses under frequent-use conditions.Antimicrob Agents Chemother 1986;30:542-4.
16) U.S.Department of Health and Human Service Public Health Service Centers for Disease Control and Prevention National Institute for Occupational Safety and Health.NIOSH ALART Preventing Needlestick Injuries in Health Care Settings.November 1999 DHHS (NIOSH) Publication No.2000-108.
17) 松田和久(訳),職業感染制御研究会監訳.針刺し事故防止のCDCガイドライン―職業感染事故防止のための勧告―.インフェクションコントロール2001;臨時別冊:10―71.
18) The American Institute of Architects Committee on Architecture for Health with assistance from the U.S.Department of Health and Human Services.Guidelines for construction and equipment of hospital and medical facilities.The American Institute of Architects Press Washington,D.C.1993;54.
19) 大久保憲.感染防止のための環境モニタリング.感染対策ICT実践マニュアル.メディカ出版.1997:67―74。
20) Weber DJ,Rutala WA.Editorial:Role of environmental contamination in the transmission of vancomycin - resistant enterococci.Infect Cont Hosp Epidemiol 1995;16:105-13.
21) Global Consensus Conference:Global consensus conference on infection control issues related to antimicrobial resistance:Final recommendations.Am J Infect Control 1999;27:503-13.
22) 大久保憲.MRSA対策の基本的な考え方―EBMに基づいた対策 必要な対策,不必要な対策―.インフェクションコントロール2001;別冊:22―29.
23) Mangram AJ,Horan TC,Pearson ML,et al.Guideline for Prevention of Surgical Site Infection.Infect Control Hosp Epidemiol 1999;20:247-78.(大久保憲,小林寛伊訳.手術部位感染防止ガイドライン,1999.手術医学 1999;20(2,3):209―213,297―326.).
24) Garner JS.CDC guideline for prevention of surgical wound infections,1985.Supersedes guideline for prevention of surgical wound infections published in 1982.(Originally published in 1995).Revised.Infect Control 1986;7(3):193-200.
25) Mayhall CG.Surgical infections including burns.In:Wenzel RP,ed.Prevention and Control of Nosocomial Infections.2nd ed.Baltimore:Williams & Wilkins;1993.p.614-64.
26) Ayliffe GA.Role of the environment of the operating suite in surgical wound infection.Rev Infect Dis 1991;13(Suppl 10):S800-4.
27) Laufman H.The operating room.In:Bennett JV,Brachman PS,eds.Hospital Infections.2nd ed.Boston:Little,Brown and Co;1986.p.315-23.
28) 日本医科器械学会.医療現場における滅菌保証のガイドライン2000.2000:1―8.
29) 小林寛伊,大久保憲,尾家重治.改訂―消毒と滅菌のガイドライン.東京:へるす出版2004;8―35.
30) Rutala WA.APIC guideline for selection and use of disinfectants.Am J Infect Control 1996;24:313-42.
31) Alvarado CJ,Reichelderfer M.APIC guideline for infection prevention and control in flexible endoscopy.Am J Infect Control 2000;28:138-55.
32) Russell AD.Glutaraldehyde:current status and uses.Infect Control Hosp Epidemiol 1994;15:724-33。
33) Rutala WA,Clontz EP,Weber DJ,Hoffmann KK.Disinfection practices for endoscopes and other semicritical items.Infect Control Hosp Epidemiol 1991;12:232-88.
34) Reynolds CD,Rhinehart E,Dreyer P,Goldmann DA.Variability in reprocessing policies and procedures for flexible fiber optic endoscopes in Massachusetts hospitals.Am J Infect Control 1992;20:283-90.
35) 日本消化器内視鏡技師会消毒委員会.内視鏡の洗浄・消毒に関するガイドライン.1996:57―62.
36) Seropian R,Reynolds BM.Wound infections after preoperative depilatory versus razor preparation.Am J Surg 1971;121:251-4.
37) Hamilton HW,Hamilton KR,Lone FJ.Preoperative hair removal.Can J Surg 1977;20:269-271,274-5。
38) Parienti JJ,Thibon P,Heller R,et al.Antisepsie Chirurgicale des mains Study Group.Hand-rubbing with an aqueous alcoholic solution vs traditional surgical hand-scrubbing and 30-day surgical site infection rates:a randomized equivalence study.JAMA 2002;288(6):722-7.
39) Nooyen SM,Overbeek BP,Brutel de la Riviere A,Storm AJ,Langemeyer JM.Prospective randomized comparison of single-dose versus multiple-dose cefuroxime for prophylaxis in coronary artery bypasses grafting.Eur J Clin Microbiol Infect Dis 1994;13:1033-7.
40) Sanderson PJ.Antimicrobial prophylaxis in surgery:microbiological factors.J Antimicrob Chemother 1993;31(Suppl B):1-9.
41) Page CP,Bohnen JM,Fletcher JR,McManus AT,Solomkin JS,and Wittmann DH.Antimicrobial prophylaxis for surgical wounds.Guidelines for clinical care.Arch Surg 1993;128(1):79-88.
42) Anonymous.Antimicrobial prophylaxis in surgery.Med Lett Drugs Ther 1997;39(1012):97-102.
43) Scher KS.Studies on the duration of antibiotic administration for surgical prophylaxis.Am Surg 1997;63:59-62.
44) Nichols RL.Antibiotic prophylaxis in surgery.J Chemother 1989;1(3):170-8.
45) Ehrenkranz NJ.Antimicrobial prophylaxis in surgery:mechanisms,misconceptions,and mischief.Infect Control Hosp Epidemiol 1993;14(2):99-106.
46) Berkeley AS,Freedman KS,Ledger WJ,Orr JW,Benigno BB,Gordon SF,et al.Comparison of cefotetan and cefoxitin prophylaxis for abdominal and vaginal hysterectomy.Am J Obstet Gynecol 1988;158:706-9.
47) Ehrenkranz NJ,Blackwelder WC,Pfaff SJ,Poppe D,Yerg DE,Kaslow RA.Infections complicating low-risk cesarean sections in community hospitals:efficacy of antimicrobial prophylaxis.Am J Obstet Gynecol 1990;162(2):337-43.
48) Soper DE.Infections following cesarean section.Curr Opin Obstet Gynecol 1993;5(4):517-20.
49) Enkin M,Enkin E,Chalmers I,Hemminki E.Prophylactic antibiotics in association with caesarean section.In Chalmers I,Enkin M,Keirse MJ,Eds.Effective Care in Pregnancy and Childbirth,London:Oxford University;1989.p.1246-69.
50) Allen JL,Rampon JF,Wheeless CR.Use of a prophylactic antibiotic in elective major gynecologic operations.Obstet Gynecol 1972;39:218-24.
51) The Multicenter Study Group.Single dose prophylaxis in patients undergoing vaginal hysterectomy:cefamandole versus cefotaxime.Am J Obstet Gynecol 1989;160:1198-201.
52) Davies WL,Lamy PP,Kilter EE et al.Environmental control with laminar flow.Hosp Pharm 1969;4:8-16.
53) Denyer SP,Blackburn JE,Worral AV,et al.In-use microbial contamination of intravenous infusion fluids.J Pharmacol 1981;227:419-25.
54) Kundsin RB.Microbial hazards in the assembly of intravenous infusion.In “Adovances in Parental Nutrition” Press,Lancaster,1983;319.
55) American Society of Hospital Pharmatics.ASHP technical assistance bulletin on quality assurance for pharmacy-prepared sterile products.Am J Hosp Pharm 1993;50:2386-98.
56) 武澤純,飯沼由嗣,井上善文,ほか.平成11年度科学技術振興調整費緊急研究「院内感染の防止に関する緊急研究」分担研究「静脈点滴注射剤などの衛生管理に関する研究」班研究報告書「高カロリー輸液など静脈注射剤の衛生管理に関する指針」科学技術庁,平成12年.
57) Raad II,Hohn DC,Gilbreath J,et al.Prevention of central venous catheter-related infections by using maximal sterile barrier precautions during insertion.Infect Control Hosp Epidemiol 1994;15:231-38.
58) Maki DG.Yes,Virginia,aseptic technique is very important:Maximal barrier precautions during insertion reduce the risk of central venous catheter-related bacteremia.Infect Control Hosp Epidemiol 1994;15:227-30.
59) Lee RB,Buckner M,Sharp KW.Do multi-lumen catheters increase central venous catheter sepsis compared to single-lumen catheters? J Trauma 1988;28:1472-75.
60) Cobb DK,High KP,Sawyer RG,et al.A controlled trial of scheduled replacement of central venous and pulmonary artery catheters.N Engl J Med 1992;327:1062-8.
61) Eyer S,Brummitt C,Crossley K,et al.Catheter-related sepsis:prospective,randomized study of three different methods of long-term catheter maintenance.Crit Care Med 1990;18:1073-9.
62) Askew AA,Tuggle DW,Judd T,et al.Improvement in catheter sepsis rate in burned children.J Pediatr Surg 1990;25:117-9.
63) Cook D,Randolph A,Kernerman P,et al.Central venous catheter replacement strategies:a systemic review of the literature.Crit Care Med 1997;25:1417-24.
64) Tabone E,Latour JF,Mignot A,Ranchere JY.Alteration of the inner surface of venous catheters by antineoplastic drugs.Biomaterials 1991;12:741-6.
65) Turck M,Goffe B,Petersdorf RG.The urethral catheters and urinary tract infection.J Urol 1962;88:834-7.
66) Christensen M,Jepsen OB.Reduced rates of hospital-acquired UTI in medical patients.Prevalence surveys indicate effect of active infection control program mes.J Hosp Inf 2001;47:36-40.
67) Kunin CM.Urinary Tract Infections.5th ed.1997;Williams & Wilkins,Baltimore:USA.
68) Dieckhaus KD,Garibaldi RA.Prevention of Catheter-Associated Urinary Tract Infections.In:Abrutytn E,Goldmann DA,Scheckler WE (eds).Saunders Infection Control Reference Service.Philadelphia:W.B.Saunders Co.1998:169-74.
69) Britt MR,Burke JP,Miller WA,Steinmiller P,Garibaldi RA.The noneffectiveness of daily meatal care in the prevention of catheter-associated bacteriuria.In:Proceedings of 16th Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy,1976;141.
70) Wong ES,Hooton TM.Guideline for prevention of catheter-associated urinary tract infections.Am J Infect Control 1983;11(1):28-36.
71) 日本感染症学会,日本化学療法学会編集.抗菌薬使用の手引き.東京:協和企画.2001.
72) 久保田理枝.MUE―医薬品適正使用における米国薬剤師の役割―.日本病院薬剤師会雑誌1999;35:277―81.
73) Gross R,Morgan AS,et al.Impact of a hospital-based antimicrobial management program on clinical and economic outcomes.Clin Infect Dis 2001;33(3):289-95.
74) Gentry CA,Greenfield RA,et al.Outcomes of an antimicrobial program in a teaching hospital.Am J Health Syst Pharm 2000;57(3):268-74.
75) Herchline T,Gros S.Improving clinical outcomes in bacteremia.J Eval Clin Pract 1998;4(3):191-5.
76) 百田公美子,前田信子,他.呼吸器感染症の抗生物質投与計画への提言.日本病院薬剤師会雑誌2001;36:1413―20. 77) 佐多照正,石田和久,他.透析患者でのバンコマイシンの血中濃度推移を予測しえた症例.日本病院薬剤師会雑誌2002;38:747―50.
78) 高嶋幸次郎,佐野正毅,他.臨床薬剤師業務の客観的評価―MRSA肺炎患者におけるTDM(ABK・VCM)の有効性の検討―.日本病院薬剤師会雑誌2000;36:311―5.
79) 長谷川敦,渡部多真紀,他.当院における塩酸バンコマイシンのTDMの現状と評価.日本病院薬剤師会雑誌1999;35:955―8
80) 池上英文,富岡さつき,他.感染対策医療チームとの連携による抗MRSA薬のTDM.日本病院薬剤師会雑誌2001;37:791―4.
81) 継田雅美,飛田三枝子,他.バンコマイシン(VCM)血中濃度解析を通じた院内感染対策委員会へのかかわり.環境感染2000;15:259―63.
82) 向野賢治.MRSA対策の基本的な考え方―標準予防策(Standard Precautions)を中心に.実践MRSA対策.賀来満夫,大久保憲編.インフェクションコントロール2001;別冊:8―13.
83) Baley JE,Goldfarb J.Neonatal infections in:Klaus MH,Fanaroff AA (eds),Care of the High-Risk Neonate.5th ed.WB Saunders,2001:363-92.
84) Kawagoe JY,Segre CA,Pereira CR,et al.Risk factors for nosocomial infections in critically ill newborns:A 5-year prospective cohort study.Am J Infect Control 2001;29:109-14.
85) Baltimore RS.Neonatal nosocomial infections.Semin Perinatol 1998;22:25-32.
86) Baltimore RS.Neonatal nosocomial infections.Semin Perinatol 1998;22:25-32.
87) Toltzis P,Dul MJ,Hoyen C,et al.Molecular epidemiology of antibiotic-resistant gram-negative bacilli in a neonatal intensive care unit during a nonoutbreak period.Pediatrics 2001;108:1143-8.
88) 藤田晃三.保育器・育児室の清掃と消毒.小林寛伊編.感染対策ハンドブック.東京:照林社1997;172―174. 89) Centers for Disease Control and Prevention,U.S.Department of Health & Human Service.NATIONAL NOSOCOMIAL INFECTIONS SURVEILLANCE SYSTEM (May 1999).
90) Ayliffe GAJ,Buckles A,et al.Revised guidelines for the control of methicillin-resistant Staphylococcus aureus infection in hospitals> J Hosp Infect 1998;39:253-290.
91) Centers for Disease Control and Prevention.Guidelines for preventing the transmission of Mycobacterium tuberculosis in health-care facilities,1994.MMWR Recomm Rep.1994 Oct 28;43(RR-13):1-132.
92) 矢野久子,奥住捷子,森澤雄司ほか.空気感染予防のための簡易型HEPAフィルター空気清浄装置の評価.環境感染2000;15(2):145―151.
93) Handwager S,Raucher B,Altarac D,et al.Nosocomial outbreak due to Enterococcus faecium highly resistant to vancomycin,penicillin,and gentamicin.Clin Infect Dis 1993;16:750-5.
94) Larson EL,Eke PI,Wilder MP,Laughon BE.Quantity of soap as a variable in handwashing.Infect Control 1987;8:371-5.
95) Pittet D,Dharan S,Touveneau S,Sauvan V,Perneger TV.Bacterial contamination of the hands of hospital staff during routine care.Arc Intern Med 1999;159:821-6.
96) Sehulster L,Chinn RY;CDC;HICPAC.Guidelines for environmental infection control in health-care facilities.Recommendations of CDC and the Healthcare Infection Control Practices Advisory Committee (HICPAC) MMWR Recomm Rep.2003 Jun 6;52(RR-10):1-42.
97) 小林寛伊,山崎きよ子,大久保憲,西村チエ子,尾家重治,伊原公一郎.標準的術前手洗いとアルコール系消毒薬による術前手指消毒の比較検討.LISTER CLUB学術集会記録2003;19:6―8.
98) 藤井昭,西村チエ子,粕田晴之,松田和久,山崎きよ子.手術時手洗いにおける滅菌水と水道水の効果の比較.手術医学2002;23(1):2―9.
99) 大城誠,高橋理栄子,西川浩ほか.新生児集中治療室におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌保菌児の減少―手袋着用の効果―.日本小児科学会誌1998;102:1171―5.
100) 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課適正処理推進室.感染性廃棄物処理マニュアルの改正について.報道発表資料2004年3月16日.http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=4791

このページの先頭に戻る